映画『ウィズネイルと僕』


CAST

リチャード・E・グラント("ウィズネイル"役)

リチャード・E・グラントはイギリスでもっともひっぱりだこの俳優の一人だ。ウィズネイルは大半が放蕩者でどうしようもないろくでなし。ブルース・ロビンソンに言わせると彼は"嘘つきでいかさまで臆病で神々しくて最愛の人"だそうだ。
「彼に似ているやつがいるかい?」グラントは尋ねる。「思うに彼は最も素晴らしい生き物だ。ときどき彼は愛すべきことを言うけど滅多に言わない。そして独特のウィットに富んでいるんだ」
「多くのウィズネイルに会ってきた――スワジランドで一生を生きるような人々だ」と彼は続ける。「人間性のかけらをそのような土地で漂わせ、世界について考察し、上流特権を捨て去るような人間さ。彼らを知ることは役作りで大いに役に立ったよ」
スワジランドはグラントの父親が教育大臣だったアフリカ南部の場所で、1968年に独立するまでイギリスの植民地だった。そこには劇場もなく、彼の家系にも演劇のルーツはなかったが、リチャードは7歳の時に自分は俳優になりたいと気付いた。厳格な学校に通った後、彼はケープタウン大学で演技を学ぶ。
1982年、何のコネもないまま2つのスーツケースだけでイギリスに渡る。ウェイターとして働き、ヨーロッパ中を廻るが、その姿は粘り強く1983年には劇場での仕事を得る。そして1984年には「Tramway Road」で最優秀新人賞候補となる。
キャスティングディレクターのマリー・セルウェイはLes Blairの即興映画「Honest, Decent and True」に出演していた彼に感動を受け、ブルース・ロビンソンに彼を紹介した。ブルース・ロビンソンは部屋に入ってきた瞬間、リチャードをウィズネイル役に決めたという。ロビンソンはリチャードについて「彼は見た目がいい、無駄に人をうっとりさせる魅力がある。そして彼はすばらしく本物の俳優だ」と言っている。
『ウィズネイルと僕』でリチャード・E・グラントは一気に注目を集め、その後は『ザ・プレイヤー』(ロバート・アルトマン監督)、『ドラキュラ』(フランシス・フォード・コッポラ監督)、『広告業界で成功する方法』(ブルース・ロビンソン監督)などに出演、最近では『マーガレット・サッチャー鉄の女の涙』やティム・バートン監督の『コープスブライド』では声優にも挑戦している。

ポール・マッギャン("僕"役)

この作品において"僕"を演じると共にナレーターも務めている。
「彼は名前のない男だ」とマッギャンは言う。「作品の中で一度も名前が出てこないけれども、彼なしには何も起こらない。この役の中に多くの自分を見出すことができる。私にも俳優学校で似たような経験――誰かにとても惹きつけられる――がある」
マッギャン演ずる"僕"は困難を切り抜けていく人物である。彼とウィズネイルは共に俳優学校に通っていたが今は俳優の仕事がなく、カムデンタウンでフラットをシェアしている。映画が始まる時(あと数週間で1969年も終わろうとしている)、二人の友情の終焉は差し迫っていた。二人は若さ、酒、ドラッグという今では年代ものだが当時は急進的な文化に生きた、まさにその時代が生んだ寵児である。しかしウィズネイルは過去の10年に留まり続け、彼の友人は未来に向かって進んでいく。
「男は自分自身を守ろうとするのさ。彼が自分を形作ろうとするのが分かるだろう」マッギャンは言う。「だから恐らく彼は何でも書き留める。私自身も日記をつけ、夜には10行だけでも書き留め、なんとか脳みそを残りの自分と自分を取り巻く出来事から離そうとするのさ」。マッギャンはロイヤル・アカデミードラマティック・アートで演劇を学び奨励賞を受賞した。
初舞台はベイジングストーク、ホースシュー劇「John, Paul, George, Ring&Bert」でのジョージ役と「Much ado about nothing」でのDogberry役。
ブルース・ロビンソンは『ウィズネイルと僕』初公開の時に、「彼の才能は既に証明済みであり無知に対する正しい眼差しがある。それは驚きであり、時に理解不能だ」と述べている。
☆他の主な出演作
テレビ「ガルフ・ウォー/スカッドミサイル爆破指令」(1996)、「ドクター・フー」(1996)
映画『エイリアン3』(1992)、『三銃士』(1993)、『フェアリーテイル』(1997)
『女帝キャサリン』(1997)、『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(2002)

リチャード・グリフィス(モンティ役)

いくら控えめに言っても普通ではない変人、叔父のモンティ役。ウィズネイルと僕に田舎のコテージを貸してくれる。残念なことに彼は甥である憎らしいウィズネイルにそそのかされて若い"僕"に恋に落ちてしまう。モンティの想いと"僕"の混乱ぶりは楽しくあるがとても悲しみを誘う場面である。グリフィスはこの場面を全くまじめに演じている。彼曰く、「コメディはまじめに演じるべきなんだ。はっきり分かるよりもほのめかす位の方がずっと面白いのさ」
マンチェスター大学で演劇を学び、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの舞台で活躍。1979年「The White Guard」でClarenceDerwent Award最優秀助演男優賞、「Once in a Lifetime」でPlays and Plays最優秀助演男優賞受賞。2008年に大英帝国勲章を叙勲された。
近年は『ハリー・ポッター』シリーズでの意地悪なバーノン・ダーズリー役を演じたことでも知られているが、2013年3月28日、コヴェントリー大学病院にて心臓手術後の合併症でこの世を去った。
☆他の主な出演作
『ブレイキング・グラス』(1980)、『スーパーマン2』(1980)、『炎のランナー』(1981)
『フランス軍中尉の女』(1981)、『ガンジー』(1982)、『ゴーリキー・パーク』(1983)
『不機嫌な赤いバラ』(1994)、『スリーピー・ホロウ』(1999)、『宮廷料理人ヴァテール』(2000)
『ハリー・ポッター』シリーズ(2001~2010)、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』(2011)『ヒューゴの不思議な発明』(2011)

ラルフ・ブラウン(ダニー役)

ドラッグのディーラー(仲間からは"ヘッドハンター"と呼ばれる)ダニー演じるラルフはロンドン・スクール・エコノミクスで法律を学んでいたが、その後メキシコに向かい、俳優になることを決めた。『ウィズネイルと僕』はラルフのデビュー作にあたる。本作以来、『フィル・コリンズin バスター』『スキャンダル』『法王さまご用心』『エイリアン3』『クライング・ゲーム』『ウェインズ・ワールド2』など多くの作品に出演している。
☆他の主な出演作
『ブライアン・ジョーンズストーンズから消えた男』(2005)、『パイレーツ・ロック』(2009)
『イノセント・ガーデン』(2013)、『ジャックと天空の巨人』(2013)

マイケル・エルフィック(ジェイク役)

「マイケル・エルフィックは我々の中で唯一、真の俳優だった」。セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで同年代だったブルース・ロビンソンやデヴィッド・ダンダスは言う。ローレンス・オリヴィエは当時15歳で電気工見習いだったマイケルの才能を見抜き、マイケルに演劇学校のオーディションを勧めた。そして見事に奨学金を取得する。
彼はイギリスで最も忙しく、また人気のある俳優と言われていたが、長年アルコール依存症に苦しんだ末、2002年に心臓発作で世を去った。
☆他の主な出演作
『大列車強盗』(1979)、『エレファント・マン』(1980)、『ドーバー海峡殺人事件』(1984)
『エレメント・オブ・クライム』(1987)、『リチャード三世』(1996)


5/3(土)~5/31(土)
吉祥寺バウスシアターにてクロージング上映!